鉄筋コンクリート造はりの断面検定機能です。 矩形断面の参考計算資料を作成します。 計算は鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 2010(2010 RC規準) 及び2015年版 建築物の構造関係技術基準解説書(2015技術基準)を参考にしています。 検定断面は断面(検定用)設定で行います。
地震時の応力の割増し係数。 地震時応力とは断面検定ダイアログで荷重種類を”地震”とした出力荷重です。 「長期、風圧、積雪、その他」の荷重は割増しません。
式番号 | 式 | ルート1 B式 |
ルート2-1 B式 |
ルート2-2 B式 |
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@ | QSd=QL+n・QE | n=1.5以上 | n=2.0以上 | n=2.0以上 |
A | QSd=Qo+α・ΣBMy/ l ' | α=1.0 | α=1.0 | α=1.0 |
B | QSd=min(@式 , A式) | min(@式,A式) | min(@式,A式) | min(@式,A式) |
QL,QE:はりに生じる長期および地震時せん断力
Qo=単純支持とした時の常時荷重によってはりに生じるせん断力,地震時に曲げが生じない部位については、BMyを0としてA式の設計用せん断力を算定します。
l ':はりの内法長さ
次式で求める上端引張時のはりの降伏曲げモーメント(BMy)を算定するのに参照します。
BMy = 0.9×(atu×σy + sAt・sσy)×du
ここに、atu:はりの上端筋の断面積 σy:はり主筋の降伏点強度(sft:はり主筋の短期許容引張応力度に同じとします)
、sAt:考慮するスラブ筋の断面積 sσy:スラブ筋の降伏点強度 du:はりの上端筋引張り時の有効せい
撓みの計算値に乗ずる係数。 撓みの計算方法は本項目の最終項を参照下さい。
はりの符号 | 断面の名称 | ||||
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はりの位置 | 両端の節点番号(フレーム名称/階番号) | ||||
材料の種類 | コンクリート、 主筋、 帯筋の材料名称 | ||||
Fc、lfc、sfc | コンクリートの基準強度 , 長期許容圧縮応力度 , 短期許容圧縮応力度 | ||||
lfs、sfs | コンクリートの長期許容せん断応力度 , 短期許容せん断応力度 | ||||
lfa、sfa | コンクリートの許容付着応力度 上端筋、その他の鉄筋について長期及び短期の数値 | ||||
sfb | 付着割裂の基準となる強度(安全性確保のための検討) 上端筋 , その他の鉄筋 | ||||
lft、sft、sPu | 主筋の長期許容応力度 , 短期許容応力度 、 sPu:スラブ筋の強度(=sAt・sσy) | ||||
lftw、sftw | 帯筋の長期許容応力度 , 短期許容応力度 | ||||
地震力割増し | KQe:地震時せん断力の割増係数、KMe:地震時曲げモーメントの割増係数 | ||||
検定位置 端部からの距離 |
i 端 | ハンチ | 中 央 | ハンチ | j 端 |
L ,l ' | 節点間距離L 、内法長さ l ' = 両端のフェイス位置の距離 | ||||
b | はりの断面幅 | ||||
D | はりの断面せい | ||||
dt | 上段:上端筋引張の場合のはり上端から上端筋重心位置までの距離 下段:下端筋引張の場合のはり下端から下端筋重心位置までの距離 |
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du、dd | 上端筋引張り時の有効せいdu=D−dt上、下端筋引張り時の有効せいdd=D−dt下 | ||||
主筋の
本数 及 び 径 |
上1:上端筋の一段筋、 上2:上端筋の二段筋 下1:下端筋の一段筋、 下2:下端筋の二段筋 |
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at | 引張鉄筋の断面積 、上段:上端筋(atu) 、下段:下端筋(atd) | ||||
pt | 引張鉄筋比 、 上段:上端筋(atu/b/du) 、下段:下端筋(atd/b/dd) | ||||
あばら筋の 本数・径・間隔 |
あばら筋一組の本数−径 あばら筋の間隔(mm) |
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pw | あばら筋比(pw=あばら筋1組の断面積/b/あばら筋間隔) 0.2%以下の場合*印が付きます | ||||
ML | はりに生じる長期曲げモーメント | ||||
加力方向 MSu |
短期の曲げ検定値が最大となる上端筋引張の出力荷重(荷重1〜荷重9) NON:上端筋に引張力は生じません 上記、曲げ検定値が最大となる上端筋引張の短期曲げモーメント |
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加力方向 MSd |
短期の曲げ検定値が最大となる下端筋引張の出力荷重(荷重1〜荷重9) NON:下端筋に引張力は生じません 上記、曲げ検定値が最大となる下端筋引張の短期曲げモーメント |
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C | 長期許容曲げモーメントを算定するための係数 | ||||
Csu、Csd | 短期許容曲げモーメントを算定するための係数 [Csu上端引張時]、[Csd:下端引張時] | ||||
MaL | 長期許容曲げモーメント(=C・b・d2) | ||||
MaSu、MaSd | 短期許容曲げモーメント(MaSu:上端筋引張時 、MaSd:下端筋引張時) | ||||
n [α] | 短期設計用せん断耐力(地震時検討用)を算定(@式及びA式)するための係数 | ||||
Myu、Myd | はりの降伏曲げモーメント(Myu:上端筋引張時 、Myd:下端筋引張時) | ||||
Qo | 単純はりとした時のはりに生じる長期せん断力 | ||||
QL | はりに生じる長期のせん断力 | ||||
加力方向 QS |
短期のせん断力QL+QE(n[α]を考慮しない)が最大となる出力荷重(荷重1〜荷重9)、 上記の短期せん断力(付着の検討2010 RC規準16.3式で使用します) |
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加力方向 QSd |
短期のせん断検定値が最大となる出力荷重(荷重1〜荷重9) せん断検定値が最大となる短期の設計用せん断力 |
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Qc | せん断ひび割れ強度=0.085・0.72(Fc+50)/(M/Qd+1.7)・b・j 「2015技術基準(付1.3-2)」 M/Qd = l'/2d ≦ 3.0とします。 |
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α L S |
せん断スパン比による割増係数 α = 4.0/(M/Q・d+1.0) ただし1.0≦α≦2.0、 M、Q は はり全体の長期(L)および短期(S)の絶対値の最大応力値 |
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QaL QaS |
長期許容せん断力 =b・j {αL・fs+0.5wft(pw-0.002)} Pw≦0.6% 短期許容せん断力 =b・j {αS・fs+0.5wft(pw-0.002)} Pw≦1.2%(地震時検討用) b・j {2/3・αS・fs+0.5wft(pw-0.002)} Pw≦1.2% wft ≦390N/mm2(地震時以外) |
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M/Ma L S | 曲げ検定値の最大値 上段:長期(L)、 下段:短期(S) | ||||
Q/Qa L S | せん断検定値の最大値 上段:長期(L)、 下段:短期(S) | ||||
付着 L S ld[Ld] |
2010 RC規準(16.1)(16.3)(16.5)式による、付着検定値、 長期(L):QL/(Σφ・j・Lfa)、短期検定値(S):QS/(Σφ・j・Sfa) 大地震における必要付着長さ(ld)=σy・Db/(4・K・fb) + d 、dは1段筋の有効せいとし、 QSd<Qc の場合は 0 とします。 端部上端筋(1段目、2段目)のみ検討します。 [Ld=l'/4+15・Db]、 ld > Ld、となっても特別なメッセージは表示しません。 |
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中央撓み | はり中央の撓み(δyc) 表外下式参照 | ||||
判定結果 | 検定値が 1.0 以下の場合は「OK」、1.0 を超える場合 「NG」 |
はりの中央部撓み(部材座標系z方向)は参考値として、両端の曲げモーメントから、荷重が等分布荷重であると仮定した場合の、略算値を計算しています。
δyc = δyo×【撓み検討用倍率】
δyo = 5Myo・L2/48E・Iy−(My1+My2)L2/16E・Iy
ここに、Myo:単純はりとした場合の中央モーメント(部材座標系y軸回り)
My1,My2: i 端及び j 端の曲げモーメント(部材座標系y軸回り)
L,E,Iy:部材長、ヤング係数及び断面二次モーメント(部材座標系y軸回り)
ここでの出力は参考値です。