座標軸は下図のように、右方向(X)、上方向(Z)、奥行方向(Y)を正方向とした全体座標系と部材位置で定まる部材座標系を用います。
回転方向はFRM2では反時計回りを正とし、FRM3では右ねじ系を正とします。 また、FRM3では部材を主軸(部材座標系x)回りに回転させることも可能です。
FRM2の全体座標系と部材座標系 | FRM3の全体座標系と部材座標系 |
応力計算は剛性マトリックス法により計算を行います。 計算手順の概略は以下の通りです。
@ | 部材の部材座標系での剛性マトリックス(k)の組み立て。 平面解析の場合(6行×6列)、立体解析の場合(12行×12列)の剛性マトリックス。 立体解析で剛域がある場合は、Lyで入力した数値は部材のz方向に関するせん断変形と、部材のy軸回りに関する曲げ変形に影響します。 同様にLzで入力した数値は部材のy方向に関するせん断変形と、部材のz軸回りに関する曲げ変形に影響します。 また、Ly≠Lz の場合の部材の軸方向に関する剛域(Lx)は、Lx=(Ly+Lz)/2 として計算します。 また、材端にピンや回転バネを有する場合もそれらを考慮して計算します。 |
A | 部材の剛性マトリックス(k)を全体座標系へ変換 (k’ = T・k・TT) ここに、T:座標変換マトリックス 、TT:座標変換マトリックスの転置行列 |
B | 全体剛性マトリックスの作成(K) 全ての部材の全体座標系での剛性マトリックス(k’)を対応する節点同士で足しあわせます。 また、支点の拘束状態や同一変位等の条件に適合させ全体剛性マトリックスを作成(K)します。 |
C | 荷重マトリックスの作成(F) 節点荷重・部材荷重・温度応力等について等価節点荷重の計算を行い、荷重マトリックス(F)を作成します。 |
D | F = K・δ をガウスの消去法により、未知数である全体座標系での節点変位(δ)を解きます。 なお、不安定架構となる場合はそこで計算を終了します。 |
E | テンション部材の考慮がある場合は、圧縮力の生じるテンション部材を取り除きます。 また、浮き上りを考慮する場合で、浮き上りの生じる支点がある場合は支点を解除して、BCの全体剛性マトリックスおよび浮き上り抵抗荷重を加えた荷重マトリックス(F)を再度計算し、Dの再計算を行います。 この作業を必要に応じて複数回行います。 不安定架構となる場合はそこで計算を終了します。 |
F | DEで求めた節点変位(δ)から部材端部の変位を求め部材応力の算定を行います。 また、算定した部材応力と荷重マトリックス(F)から各節点の支点反力を計算します。 |
オプション(計算)で指定したせん断変形を考慮します。 各種せん断断面積は以下の通りとします。
断面形状 | 断面積(A) せん断面積=断面積とした場合 |
せん断断面積 せん断面積=通常とした場合 |
---|---|---|
0:矩形 | P1×P2 | 130/153 A |
1:円形 | π×P12/4 | 39/44 A |
2:鋼管 | π{P12−(P1−2P2)2}/4 | 0.5 A |
3:箱形断面 | P1×P2- (P1-2P4)×(P2- 2P3) | 2P1×P3 |
3:角形鋼管 | 2P3×(P2+P1−4P5)+π×P3×(2P5−P3) | 2P3×(P1−2P3) |
4:H形鋼(強軸) | 2P2×P4+(P1−2P4)×P3+(4−π)×P52 | (P1-2P4)×P3+(4-π)×P52 |
5:H形鋼(弱軸) | 2P2×P4+(P1−2P4)×P3+(4−π)×P52 | 2P2×P4×130/153 |
6:T 形 | P1×P2+P3×P4 | P1×P2×130/153 |
7:直接入力 | 直接入力した数値が採用されます | 直接入力した数値が採用されます |
計算方法はオプション(計算)で指定した扱う単位系により異なります。
@工学単位(tf):旧RC規準
E = 210・(γ/2.3)1.5×√(Fc/20) (tf/cm2)、
γ:コンクリートの気乾単位体積重量(tf/m3)、
Fc:コンクリートの設計基準強度(tf/cm2)×100
ASI単位(kN):RC規準(2010)
E = 3350・(γ/24)2×(Fc/60)1/3 (kN/cm2)、
γ:コンクリートの気乾単位体積重量(kN/m3)、
Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2)