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鉄骨造柱  <設計ツール> <断面検定条件> <鉄骨造柱>


【動 作】

 鉄骨造柱の断面検定機能です。 鉄骨造柱の参考計算資料を作成します。 計算は、 旧 鋼構造設計規準 を参考にしています。 検定断面は断面(検定用)設定で行います。

ダイアログ画面

【解 説】
【地震時応力の割増し】

  地震時応力の割増し 地震時応力とは断面検定ダイアログで荷重種類を”地震”とした出力荷重です。


 応力割増し1:冷間成形角形鋼管設計の地震時応力の割増しは下表の割増し率を考慮します。

材料
※1
割増さない
※2
内ダイヤフラムの
割増し率 ※3
通し(外)ダイヤフラムの
割増し率 ※3
STKR柱脚のみ
割ります ※4
BCP 1.0 1.1 1.2 1.0
BCR 1.0 1.2 1.3 1.0
STKR 1.0 1.3 1.4 1.4
  1. 材料データの”名称”を参照して決定します。 断面形状を角形鋼管としても、材料の”名称”に”SS400"などを設定してしまうと、割増し率が考慮されませんのでご注意下さい。
  2. 例えば、地震時の水平震度をKh=1.0として計算したような工作物などの検討の場合に設定します。
  3. 鉄骨造の設計ルート1(Co=0.3)の場合などに設定します。
  4. 鉄骨造の設計ルート2、ルート3の場合などに設定します。
    柱脚は i 端、j 端について高さ(Z座標)の小さい側の節点に、他の柱が取り付かない場合を柱脚と見なします。 従って、下階柱抜けの場合の柱にも割増しが考慮されます。

応力割増し2:荷重種類が”地震”の場合で、ブレースによる水平力分担率に応じて割増し率を考慮します。 出力荷重データの”分担率計算”を”1:する”に設定して下さい。

【引張断面積低減率 kAe】

引張力を受ける場合の引張応力度(σt=N/Ae)を算定するための断面積低減率。
 ボルト欠損等がある場合に設定して下さい。 Ae = 柱の断面積(A)×kAe 、 kAe = (1.0 - 入力値/100)

 

【H形鋼の断面係数へのウェブ考慮】

H形鋼の強軸回りについての断面係数(Z)にウェブを考慮するか設定します。

    1. 考慮する:全て考慮します
    2. スカラップ欠損を考慮する:ウェブにスカーラップ(35mm)の欠損を考慮します
    3. 考慮しない:無視します(フランジのみ)
【せん断断面積低減率 kAs】

せん断断面積(As)を算定するための断面積低減率。

 kAsx = (1.0 - 入力値[X]/100)、 kAsy = (1.0 - 入力値[Y]/100)

せん断断面積Asの算定方法
断面形状 せん断断面積 As-X せん断断面積 As-Y
矩形・円形・鋼管 A/2×kAsx A/2×kAsy
箱形断面 2×tw×D×kAsx 2×tf×B×kAsy
角形鋼管 2×t×(D-2・t)×kAsx 2×t×(B - 2・t)×kAsy
H形鋼 tw×(H-2・tf)×kAsx 2×tf×B/1.5×kAsy
T形 (D-t)×B×kAsx (B+L)×t×kAsy
その他(溝形,L,CT,C 等) 断面定義ファイル(steel.dat)を参照 As×kAsx,y

【検定表の解説】
柱の符号 柱断面の名称
柱の位置 両端の節点番号(フレーム名称/階番号)
柱の断面:j 端 j 端の柱の断面(検定)形状  (幅厚比による種別 フランジ/ウェブ)
       :i 端 i 端の柱の断面(検定)形状  (幅厚比による種別 フランジ/ウェブ)
鋼材の種類 柱頭( j 端)/柱脚( i 端)の材料データの種類
地震力割増し
kNe,kQe,kMe
X方向およびY方向の地震時応力の割増し率
階 高 階高=節点間距離と床面までの高さから計算します、 ( )内の数値は節点間距離
検定位置 i 端 X j 端 X i 端 Y j 端 Y
柱の断面積
Ae 柱の引張断面積=A×引張断面積低減率(kAe)
As 柱のせん断断面積(上表参照)
柱の断面係数(H形鋼の場合は、ウェブ考慮の設定を参照します)
柱の断面二次半径
89000Af/h 89000×フランジ断面積(Af)/断面成(h) 【H形・溝形鋼等】
ib 圧縮フランジと柱せいの1/6から成るT型断面のウェブ軸回りの断面二次半径、【H形・溝形鋼等】
lb 圧縮フランジ支点間距離(横つなぎ設定)
λb 曲げ材の細長比=lb/ib
座屈長さ
細長比
圧縮材の座屈長さ Lk=節点間距離(L)×座屈長さ係数(nLk)
圧縮材の細長比 λc=Lk/断面二次半径
NL
ML
柱に生じる長期軸力 (圧縮+、引張−)
柱に生じる長期曲げモーメント
加力方向 短期の曲げ検定値が最大となる出力荷重名称(荷重1〜荷重9)
応力割増し1 冷間成形角形鋼管の場合の地震時応力の割増し(荷重種類が”地震”の場合)
応力割増し2 水平力分担率による地震時応力の割増し(荷重種類が”地震”の場合)
考慮する場合は出力荷重データの”分担率計算”を”1:する”に設定して下さい
NSd
MSd
短期の曲げ検定値が最大となる短期軸力
短期の 曲げ検定値が最大となる短期曲げモーメント
QL 柱に生じる長期のせん断力
加力方向
QSd
短期のせん断検定値が最大となる出力荷重名称(荷重1〜荷重9)
上記、せん断検定値が最大となる短期の設計用せん断力
ftl
fts
長期許容引張応力度
短期許容引張応力度(=1.5×ftL)
fcL
fcS
長期許容圧縮応力度
短期許容圧縮応力度(=1.5×fcL)
C 許容曲げ応力度の補正係数、 1.0 で固定
fb1
fb2
fb1=89000×Af/lb・h 【H形・溝形鋼等強軸回り】、それ以外はftlに同じ
fb2=F × { 2/3-4/15C(λb/Λ)2 }、 Λ:限界細長比 【H形・溝形鋼等強軸回り】
fbL
fbS
長期許容曲げ応力度(=max[ fb1 , fb2 ] )
短期許容曲げ応力度(=1.5×fbL)
σcL
σcS
長期圧縮(引張)応力度=NL/A(Ae)
曲げ検定値が最大となる短期圧縮(引張)応力度=NSd/A(Ae)
σbL
σbS
長期曲げ応力度=ML/Z
曲げ検定値が最大となる短期曲げ応力度=MSd/Z
τL
τS
長期せん断応力度=QL/As
せん断検定値が最大となる短期せん断応力度=QSd/As
σc/fc+σb/fb
長期の曲げ検定値=σc/fc+σbx/fbx+σby/fby 【2軸曲げ考慮】
短期の曲げ検定値=σc/fc+σb/fb
√(σ^2+3τ^2)/ft
長期のせん断検定値 σ=|σc| +|σb| とします。
短期のせん断検定値      同 上
判定結果 検定値が 1.0 以下の場合は「OK」、1.0 を超える場合 「NG」

ここでの出力は参考値です。